wakeupandpresentの日記

いつもは映像作品を作ってます。ここでは西田学くんの大冒険を載せていきます。

「西田学人生初の京都へ行く」第11話「英雄は誰か」

11話。

 

俺「ちょっと待って案があるんじゃないの。」

大西はトイレからトイレットペーパーを持ってきた。大量に。

中からカラカラカラカラ聞こえたもん。

俺「お前そういう感じ…?」

大西「ここ処刑すれば良いだけ?」

俺「違う、潰すんじゃな無くてあそこ(窓)へ逃がしてほしい」

リク「処刑駄目なの?」

俺「いける?」

大西「ほぼ無理に近い。」

え、意外。あの大西が難色を示した。

俺「えー、俺さっきやったよ一匹。」

すかさず俺による成功実例を報告。

リク「じゃ、処刑して良いよ。」

それ良くない。

わずかの静寂の後、

大西「じゃ、まってまって、」

大西は自身の荷物が置いてある場所へ向かった。

大西「僕のプラモデルの箱があるから…」

何やらバックの中をもぞもぞしている。ちらちらおかしい物が入っており

ツッコミたいのは山々だが、今は緊急事態なのでだまって様子をうかがう。

大西「この中にパカって…」

俺「あぁそういう事ね!」

プラモデルの空き箱で虫を入れて、外へ逃がすつもりらしい。

俺「よしそれなら三匹余裕だな!」

大西が止まった

大西「え?何匹いるの?」

俺「ココとココと、ココ。」

隠さずに教える。大西は神妙な顔をした後苦笑しながら、

大西「諦めた方がいんじゃね…?」

ですよねー、

この数がエグいんだよな。虫のこの数、気持ち悪さが増してしまうのだ。

それでも大西が俺が始めに大西に示した場所の虫を箱に滑り込ませ、

見事に一匹外へ追い払った。

し•か•し、そこにもう一人、三上がやってきた。

まずい。

とはいうのも、先ほどの夕食では中原は六人テーブル制限によって、

別のテーブルで食事をとったのだ。大西一人であのザマだ。

性格は酷似、且つ発想が大西より凶暴な三上は虫と聞いたらまず

「殺しちゃえ〜おっひょっひょ〜」

とか言って所在を聞き跡形も無く潰し殺してしまうだろう。

彼は我々の意向など聞く耳も持たない狂犬なのだ

三上「え、どうしたの?」

そしてこの狂犬、妙におどけている所が相手のスキを誘う。

小杉B「キモォ〜い!虫がいる!」

三上「え、虫って何?ゴキブリ?」

小杉B「ゴキブリみたいだよ、」

俺「三上虫が見たいか、ここだ。」

とりあえず虫がこの室内にいるという状況だけは教える。

それ以上話すと彼の「殺人」という発想を誘発しかねない。

大西「もう一匹どこ?」

大西くんはもはや頼れるヒーローだ。言動一つ一つが勇敢だ。

彼の力になりたい。サポートは僕が努めます。大西さん。

俺「もうひとつはですね、ここ、これお願い。」

トイレのドアの金具辺りにそいつはいた。

大西「え?嘘、気づかなかった…」

ヒーロー大西一瞬人間っぽい反応を見せる。それでも動きは決して止まらない。

大西「気づかずに開けていた…」

なんか言ってるけど手は止まってはいない。そして三匹目を処理!

大西くん!すごいよ大西くん!大西バンバンザイ。

さらに大西の伝説は終わらない。気づいたときにはすでに最後の一匹、

天井に張り付いた一番厄介な一匹の処理にかかっていた。

しかしここで三上が

三上「え?どこどこ?俺が殺してみせよう。」

来たな、お前は。

案の定そういうバイオレンスな考えをのほほんと言いやがって。

俺「いや、お前はいいや、」

小杉B「お前良いです」

俺「お前殺そうとするから出てこなくていい、」

しかしもう手遅れだ、ひとたび虫に興味を持ってしまったら彼はもう止まらない。

周りの意見も聞かない。躊躇も知らない。後先も考えない。

「虫虫キュンキュン状態」になってしまう。

三上「待って、なんかでかいものない?」

ヒーロー(大西)がやってるじゃん!

見とけ!お前は!固唾を飲んで見とけ!お前は!

ヒーロー「駄目だ届かない。」

そうですか、ではこれを!

三上「あ、ヘイヘイ、それ、」

何でお前なんだ。

俺「えぇ駄目だよ。お前殺すつもりだよ。」

三上「いいから!いいから!早くしろよ!」

俺「何をすんだよお前!何をするつもりだ!」

三上「あ、いいや、これで」

足下にあるスリッパを手にとり、行ってしまう。

俺「止めろ暴走するな!よせ三上!」

大西「多分死ぬ…」

島田くん「死ぬな、これは。」

2人はすでに未来を悟っている。駄目だそんな未来!実現してはならない!

俺「止めてくれ!三上!」

彼は歩む足を止めない。

俺「もう、後始末大変なんだってば!」

小杉B「ホントだよ!止めろ!」

 

三上「え、じゃぁ落とすだけで良いの?」

狂犬は直前で理解したらしい。声の調子は相変わらずおどけてる。

俺「そうそうそう!そうだよ!そうして!」

三上「わかった」

ボスッ

分かってなかった。

瞬速でスリッパがスイングされた。

だが上にいる虫に標準が定まりきらずスリッパは的をはずれ空スイングをした

俺「ぉおんまぇ!それ殺すつもりでいるだろ!その速さ!」

ボスッ

当たらない

ボスッ

当たらない

 

 

ボスッボスッ

ボスッボスッ

ボスッボスッ

ボスッボスッ

やっぱり当たらない。

小杉B「ちょっと、当たってないんだけど…」

三上「だって下が…安定していないんだもん」

三上の足場はふかふかのソファー。安定感は皆無だ。

三上「疲れた」

そういい残し三上は一旦ソファーから降りる。でもこれで終わる三上じゃ無い。

俺「何するんだ今度は…」

ソファーの上にいた事で安定感は失われるが高さが確保できる。

でも三上は降りちゃった。どうするんだ?安定はするけど届かないじゃん!

三上はソファーから降りてスリッパを投げつけ始めた。

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天上にスリッパを投げつける三上

あ、そういう感じか。当然力は強くなり天井がガンガン音を立てる。

それと反対に俺と小杉Bは何も発しなかった。もう駄目だ。

この虫は完全に三上の遊び道具になっている。

虫を外に逃がすという目的も、何もかもを超越した三上ワールドになっていた。

気づけば共に戦った同志達もみんな後ろにあるテレビを見ていた。

バラバラになる戦友。目の前に広がる三上ワールド。

俺「なんかもう、無意味な気がしてきた。」

そのとき

三上が放ったスリッパの一撃が虫を落とした。

虫は飛ぶ事無く真下に落ちていく。そして落ちた先は、

小杉Bの衣服の山だった。

小杉B「うわぁぁぁぁぁもうおぉぉうぅ!」

その後虫は四匹無事に処理された。

 

PS今は先の見えない日々が続きますが、この物語はしっかり先があります。あと2話で1日目終了です。