「西田学人生初の京都へ行く」第25話「代表ミーティングで話された大切なこととは」
25話
その後入浴。E組が集結した風呂場は小宇宙だった。風呂おけに冷水をため
掛け合うという戦争が勃発。風呂場に飛び込むは、数十秒ごとに冷水は降ってくるは安楽の地はなかった。小杉Bはこういうのが大好物で楽しんでいた。
俺はそそくさと大事な部分を洗うやいなや風呂場を後にした。
入浴してるのに疲れがたまった。本末転倒な入浴だった。
20:26
ボンッ ボンッ ボンッ ボンッ
俺「…………」
ボンッ ボンッ ボンッ ボンッ
俺「ハァァ~…」
先ほどの入浴から自室へ戻った我々は暇つぶしに再びテレビをつけ始めていた。
そして俺がよっこらしょと横たわった刹那この周期的な打撃音とともに
背中に痛みが走っている状態が先ほどからずっと続いている。
まぁ言うなれば小杉Bのまくらアタック攻撃だ。
背を向けており見えないが確実に後ろからアタックしてきてる。
ボンッ ボンッ ボンッ ボンッ
ボンッ ボス、ボス、ボス、
あ、周期変わった。少し早くなりましたねこれは。
メトロノームみたいに正確に俺の背中は攻撃を受ける。
俺は昨夜寝る直前の記憶を思い出した。そういえば昨日は寝る直前に
やられてたのか。それと比べればこれはまだ明るいうちだからいい方だな。
いやいや、おかしいおかしい。なんで納得してんだ俺は。
小杉B「「帰れよっ」」
あ、こいつ俺の過去で攻めてきた。こいつのいじり方のひとつだ。説明する。
俺が思い出したくない昔の記憶を思い出させる象徴的なセリフを演技して発することにより俺に不快感を与えるのだ。ちなみにこのセリフは思い出したくない過去その23、「中学一年生の部活での出来事」での記憶だ。
だが俺は反撃しない。耐える。勝てないだけじゃない。あいつが持っていたのは1日目の夜悲劇のアイテムとなったまくらなのだ。同じことを繰り返さない。
俺「小杉は待ってんだよ、俺が反撃することを。」
小杉B「「帰れよっ」」
俺「で、またまくらが破れるんだよこれで、」
小杉B「「帰れよ」」
俺「怒んねぇよ、俺絶対怒んねぇよ、」
小杉B「「ちょ、お前何してんだよ。お前、お前顕微鏡ちゃんとルーペでみろよ。」」
これも思い出したくない記憶の一つに出てきたセリフだ。
俺「そんなこと言われてないけど!」
小杉B 無視
ボス、ボス、ボス、ボス、ボス、ボス
俺「ねぇもうなんでそんな笑いながらさぁ、やるの?なんで笑ってんの?」
小杉B「「おぉ西田オマエはどうして休んだんだ、」
「え、いや…もう…普通に休んでいいと思っちゃいました…」」
俺「やめなさい。」
小杉B「「普通に…ふつぅに休んでいいかと思っちゃいましたぁ」」
俺「もうホント止めろ」
小杉B「「ふつぅに休んでいいかと思っちゃいましたぁ」」
俺「もうねぇ…俺もうね…」
小杉B「「えっとまじですいませぇん…」」
俺「「まじすいません」とか言ってない。ちょっと脚色やめて、脚色。」
小杉B「「まじすいませぇん…」」
俺「あれだけだから俺!アドリブで失敗したのあれだけだから、悪いって思ったの、」
小杉B「「もう早く…誰か早く来いよ!早く!」
「じゃぁ行きますよぉ!!」」
俺「そんなことまで覚えてるの!?もういいからやめて!」
俺は最終手段に出た。
部屋の電気を真っ暗にして俺が見えないようにしたのだ。さっきまで小野田くんが部屋にいたが今さっき洗面所へ歯磨きをしに出て行ったので心置き無く俺は部屋を暗くした。小杉Bはなんのダメージも受けてないアピールのごとく依然としてセリフを発し続けている。
小杉B「「今日はね、なんと、エナジードリンクを飲んでみちゃいたいと思いますね。」」
俺「どうだこれで俺はオマエから見えない。」
小杉B「「僕もぉ、もともとぉエナジードリンク全般が好きじゃないんですよね。」」
俺「………」
小杉B「「ぷにぷにしてます。」」
俺「このやろっ」
バンッ!
小杉B「痛ってぇっwww!」
まくらでぶっ叩きました。こうしてようやく小杉Bはだまりました。
次まくらをバンバン当ててきたら容赦しません。この勢いでいきたいと思います。
ハイ、ありがとうございます、ハイ。
今日からの二日間宿泊班のリーダーは不条理にも俺。
なので代表ミーティングに出席しなればならない。
おそらく水泳部二人はこういうことが嫌でリーダーの座を俺に押し付けたんだろう。ミーティングは9時から西館5階「鳳凰の間」で行われる。
俺は五分前にそこへ到着した。場所がわからず若干迷ったからだ。
最終的には他の班の班長についていってたどり着いた。
ミーティングが始まった。
今日明日香村レンタサイクルの途中出会った数学の先生が話を始めた。
内容は主に明日の京都内判別自由行動についてだった。
このイベントはつまりどのようなものかというと
班ごとに分かれて京都内を自由に散策するというもの。
どの文化財へ赴いても自由。こんな自由な企画は聞いたことがない。
しかしそこは私立学校。安全面は生徒と先生間の信頼関係だけでは保証できない。
そのためそれぞれ班の班長一人一人に赤色のガラケーが渡された。
カメラ、ゲーム、インターネット機能を一切省いた近頃のスマートフォンとは違う
電話機能だけを設けられた昔ながらの携帯電話だった。
ここで機械に詳しい若い先生、
英語を教えている二人の先生のうちバスケット部の顧問である先生がバトンタッチして説明を始める。
ちなみにマラ石の真実を教えてくれた英語の先生とは別の先生である。
連絡先は三つ、どれも先生や旅館へ通じる電話番号のみ。
緊急の時、つまり迷子の時にはここへかけろということを説明された。
こちらからこの三つ以外の電話番号にかけることはできない。
ただし119や110番にはつながるができるだけそれらに連絡をかけないような
行動をするようにとも言われた。
また最後に一つ説明がされた。この携帯にはGPS機能が付いていて
班が今どこにいるのかが先生たちにはモニターで把握できるようになっている。
くれぐれも変な場所にはいかないようにと言われた。
京都にきてまでマックやコンビニで昼食を取るのはやめようなどとの注意も受けた。
こうしてミーティングは終わった。
21:30
担任の先生の点呼が行われた。
確認ののち俺は歯磨きをした。
そして就寝時間になった。
22:00
就寝時間になった。
電気は消えたがテレビは付いている。
水泳部の二人は寝る気が無い。
小野田くんは寝ちゃった。本当に音もなく寝ちゃった。
明日は京都内班別自由学習だ。
俺「俺舞妓さんに会いたいな明日。」
三上「で?」
俺「三上会いたくない?」
三上「全然。会ってどうすんの?」
俺「だって京都っつったらさぁ、白い顔した舞妓さんじゃん。」
三上「偏見だよそれ。」
俺「いや、生のだよ。」
三上「それ偏見だからマジで、」
俺「え、京都にしかいないでしょ。」
三上「偏見になるよマジそれ、ガチで殺されるよ。」
俺「えぇ?誰が?えっ?…」
三上「なんだよそれ、京都に行ったら舞妓とか言ってさぁ…」
小杉B「何が?」
俺「え?つか小杉京都っつったら舞妓だよなぁ。」
小杉B「…まぁイメージはあるけど。」
俺「ねぇ、」
小杉B「なんで?」
俺「いやなんか…三上が偏見だって…」
小杉B「え?そうなの?」
俺「あのさぁ、色白のお姉さんって京都にしか生息しないんじゃないの?」
三上「〈生息〉とかもうそういう時点で見てる限りさぁあれだよ?…」
俺「うん?」
三上「もう変態だろ。」
俺「そっか…」
小杉B「舞妓さんと会って?」
俺「いやもう俺舞妓さんに会ったら握手してもらうわ。」
小杉B「っwww」
俺「で、サインもわうわ、サイン。」
小杉B「はぁ?」
俺「舞妓さんにサインもらう。」
小杉B「せめて写真撮るくらいにしとけよ。」
俺「そうだなぁ。」
小杉B「まぁ俺も一緒に撮ってもらう。」
お前も撮って欲しかったのかよ。
そろそろ眠くなってきた。
今日もなかなか刺激的な1日だった。
そろそろ寝ましょう。それではみなさんおやすみなさい…
ボス、ボス、ボス、ボス、ボス、ボス
俺 チラッ
小杉B 満面の笑み
バンッ!
小杉B「痛ってぇっwww!」
おやすみなさい。
22:40 西田学完全就寝(二日目終了)
PS
1日13話のペースだと思ったけど、こっから動画の量が減っていくので結構スピーディーにいきます。明日から問題の3日目編。いじめについて書いていきます。