wakeupandpresentの日記

いつもは映像作品を作ってます。ここでは西田学くんの大冒険を載せていきます。

「西田学人生初の京都へ行く」第18話「なぜ水落遺跡を目指すはずが何十人もの生徒でサイクリングするという青春的な状態になってしまったのか」

18話

 

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俺「よし行こう。」

マップをみてみる。まずは今いる場所の周辺をみてみる。

するとふとある遺跡に注目が行く。

水落遺跡(みぞおちいせき)と書いてあったその場所は

マップを見た限りでは分からないが、なんだか広そうなイメージだ。

とりあえず行くあても無いのでここに行ってみる事にした。

俺と小杉B、そこから間が空いて三上と島田くんという配置になった。

 

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三上は疲れてしまったのか先頭に出る気配がない。

彼に言われて自転車の漕ぐスピードを俺が速くしたからだろうか。

とにかくもう二度と落ち着く事は無いと思っていたこの先頭。

二度と失敗は許されない。

あくまでもナチュラルに彼らを所定の場所に導かなければ俺はまた失脚だ。

今は950分。

さすがにこの時間になっても営業しないという店は無い。それは怠け過ぎだ。

なので私は何の障害もなく道のりに集中できる。

しかしマップをみて気づいたことがある。

おおざっぱすぎるのだ。

縮尺がアバウトなせいで枝分かれしている道も一本道になってしまっている。

細く狭い通路はこのマップには乗っていない。

だからどの道を進めば正しいかではなく

どの道がマップに乗っているかを確認していく所から始めていく必要があった。

はっきり言ってこのマップは地図としてではなく

見学する場所を決めるときにだけ使う参考資料なのだと思い知った。

始めは何度も止まりながらなんとかこの役に立たない地図から何かを読み取ってやろうとマップとにらめっこをしていたが、

それは周りが不安感を募らせるだけの行為だったので最終的には

マップも開かず足がこぐ方へ、自転車が向かう方へ身を任せた。

自信に満ちて任せた。

 

数分が経過したが未だに我々は町中を抜けだせないでいた。

マップの図を見る限り水落遺跡がある場所は

かなり緑に包まれた自然感が強い場所らしかった。

ここで小杉Bが町中にいることを強みに

道行く一般人に場所を尋ねるという案を出した。

小杉B「全然ねーじゃん遺跡」

俺「いや、ここ曲がる感じだと思うんだけどなぁ

小杉B「〈感じ〉とか〈思う〉とか大丈夫かよ!」

俺「そうですね

小杉B「だから聞けって周りの人に。

知ってんだろ、ここの人なら。」

俺「誰もいないよ周り」

小杉B「居たら聞けよ!」

俺「えぇー

小杉B「お前コミュ障かよ!」

俺「あ。あれは?」

まだ回りに民家はあったが、若干畑や山や森が見えてきた。

そこに看板があったのだ。

小杉B「あ、水落遺跡あんじゃん。」

俺「あ、あった。」

看板には水落遺跡と書いてあった。

誰も周りに平岡生がいない。

コレは思いがけない穴場を見つけたのではないかと異様に興奮。

看板の矢印は俺たちが今いる一本道の90度右を指していた。

小杉Bと俺は迷わず進行方向を90度回転させた。

だってその先に水落遺跡があるって書いてあんだもん。迷う理由が無い。

しかしここである事に気づいた。

三上島田くんが来ない。

間が開いているとは思っていたがさすがに開き過ぎなので

小杉Bと俺は彼らが視界に入るまでしばらく待つ事にした。

三上と島田くんらしき人物が水平線の向こうからだんだんと姿を現す。

5,10,15くらいのその人影はこっちへ向かってくる。

やっと来たか。

あれ、多くね?

もう一度よく見てみると三上と島田くんを先頭に

その後ろにはうちの学校の生達が15.16人程運転していた。

小杉B「何で三上あんな人引き連れてんだ!」

俺「違う。勝手についてきたんだ。

俺たちが見つけた水落遺跡の場所へあいつらも行くつもりだ!」

見つけるのに苦労した場所だ。

そんな俺達に何の苦労もしていない平岡生がついてきてしまった。

奴らをまかないと。

何の苦労もせずに水落遺跡にたどり着くのはひどすぎる。

俺「ヤバい後ろからめっちゃ来た!

俺らの場所を嗅ぎ付けて!」

小杉B「おぉ~

必死にペダルをこぐ。奴らをまく為に。

だが疲れた。足が正直に動かなくなる。

何をやっているんだ俺の足は!

この間にも後ろから迫ってきているというのに!

俺「やばいよぉ

小杉B「便乗すんなよ便乗!」

小杉Bは怒り心頭、ものすごい勢いでこいでいる。確かに怒り心頭だ。

俺「俺らの場所なんだよぉ!」

三上「いや、さっき来てた人いるよ。」

水を差すのを止めなさい。三上。

 

どれくらいこいだだろうか。

完全に奴らをまいた。

それは良いが水落遺跡がいっこうに姿を見せない。

どうした水落遺跡。姿を現さんかい、

こちたら野蛮人からお前を守る為に必死にペダルをこいでまいたんだぞ。

疲れが来てんだよ水落、山場は過ぎたぞ。

そろそろ空気を読んで拝ませてくれても良いんじゃないか?

ここまで言っても水落遺跡は姿を見せない。何が望みだ?

それどころかだんだん車やトラックなどが見えてきた。

一本道

左右は畑、前方は車道。後ろは今通ってきた。

うん、これ違ったな。

この一本道さては違ったな。

間違いなく着かない。水落遺跡には。

車道に通じてるもん、この一本道。

ラクルが起きない限り無理だ、今んところ視覚的に無理だ。

俺「ちょっとまってコレ絶対違う

周りは見渡す限りの畑。清々しい程何も無い。

なんだか面白くなってきてしまった。

俺「何かすごい所出てきちゃったよ!」

小杉B「おぉ~!!!」

三上「コレあってんの?」

俺「すごいとこ来ちゃった!!絶対違ぇよこんなん!!」

三上「川を超えるんだよ、山の中へ向かって

俺「ハッハッハッハ、なんだかどうでも良くなってしまった。」

 

955

 

俺たちは車道にたどり着いた。

目の前には車やトラックが何台も行き来している。

俺「完全に違う所来ちゃった。」

三上「どこだここ。」

水落遺跡を目指した結果我々は車道にたどり着いた。

すばらしい程の時間をロスした。

しかしそうなったのは俺たちだけではなかった。

俺らに付いてきた平岡生(平岡高等中学校の生徒)全員も必然的にここにたどり着く。

つまり総勢15,6人がすばらしい程の時間をロスした。

俺「俺らに引き付いてきちゃった

結果車道沿いのどこにでもある通行道にグリーン自転車に乗った男15人が

密集するという中々無いシチュエーションが生まれた。

ここが間違いだと知るや否や他の平岡生は早々に散りじりになった。

ここから俺らはどう動けば良いのか。大自然をバックに方針を決める事に。

 

俺「今俺らどこ?てか、水落遺跡どこ?」

小杉B「マップ出せよ、それでどこにあるか見ようぜ」

このマップはぜんぜん役に立たないという事実は今現在俺しか知らない。

だから俺を除いた皆は清々しい程マップを頼りにしているのだ。

俺「あぁそうだないま~ここら辺じゃね?」

読み取れないが発言しないと始まらない。

その後一応の根拠がある東の方へ我々は進む事にした。

(ちなみに散っていった平岡生達は誰もそっちの方向は行っていない。)

再度出発。

しかし友達の多い三上は散っていったはずの平岡生達と会話していた。

青春してるな。もういいや、置いてってやる。

 

小杉B「行こう。」

俺「三上は置いて行こう。」

島田くん「フッwwww

その後俺たちが自転車を漕ぎ出すと三上は後ろから付いてきた。

三上「じゃあねー!また会えることを!」

 

続く