「西田学人生初の京都へ行く」第17話「飛鳥資料館はなぜこんなにも寺っぽいのか」

中に入る一行。

いなや茶色い浴衣のような着物を着たおじさん。

その周りにたくさんのうちの生徒が正座をしていた。

我々全員は何やら説明イベントがはじまるようだと思った。

しかももうすぐしめ切りそうだ。

なぜか全員小走りになり慌てて正座をする４人。

どうやらおじさんイベントにはギリギリ間に合ったようだ。　

おじさんは飾ってあった目の前の大仏に着いて語りだした。

しかし24秒もするとこの部屋を出て行きたい気分になった。

三上は程なく正座スタイルを放棄。

小杉Bは、目を閉じている。アイツ寝ようとしてるだろ、この時間を利用して。

島田君くらいだ、今この班でまともにおじさんの話を聞いてるのは、

多分面白くないんだろう島田君。

でも彼は空気を読む達人でありその上遠慮深いという、とても現代社会が必要としているような人なので中々ここを抜け出す先陣を切れないのだ。

おじさん「1406歳ですこの大仏、」

何か年齢の話してるよこの人、ヤベェよ

そっから話広げられたらまだ当分ネタ尽きないよ。

For a while　（しばらくして）

おじさん「……まぁ顔は違いますよ。鼻の下から彫りが深い、

あんまりこんな顔みませんね、おそらく。たいてい丸顔。うん。」

何か大仏の顔の輪郭の話入っちゃったよ…このおじさん。

真打ち出してきたよここで…まだ手の内隠してたこのおじさん…

おじさん「ここの大仏についてはこんな感じですね、はい、うん。」

おっ？

おじさん「で、昔の飛鳥寺ねぇどうなお寺かっていうとあれです…」

寺の話になった。もうだめだ。離脱しよう。俺はなりふり構わず

〈話の良い区切り〉という口実によっておじさんイベントを抜け出した。

皆も珍しく俺についてきた。

その後は適当に館内を徘徊。

おれはいつものごとく無料パンフレットやチラシをもらいまくった。

そして飛鳥資料館見学終了。

外に出るとあるものに気づいた。

俺「あ、鐘鳴らしてる…」

なんとなく向こうを見てみたら

生徒達が階段を上って鐘をついて音を鳴らしていたのだ。

てか鐘とか完全に寺じゃんもうここ。

さっきからちらちら聞こえていた鐘の音はこの鐘が鳴っていたのか。

しおりのおじいさんが注意しない所をみると

この行為はおじいさん公認という事になる。

俺「鳴らしにいこうぜ」

建物は小さかったが階段が結構キツくて

再び先陣を切ろうと普通に上がる皆を尻目に一人

駆け上がった俺は息があがってしまった。

というわけで始めは三上に突いてもらう事にした。

俺「ちょっと三上先やって、」

三上「わかった。お前は撮ってろ」

俺「はぁーい」

三上が縄を持つ。結構良い画だ。

俺「おぉ～良いねぇ…」

ボーン

俺「コレ今全体に響いてるよ、お前の一発が。」

小杉B「うぉー…」

俺「はい、じゃぁ次小杉、」

小杉B「え、いいの？やって、」

俺「いいですよ～、連打絶対駄目ね、」

小杉B「………」

俺「どんどんどんどん！ってやっちゃ駄目だめね、」

小杉B「よしやろう」

俺「お前バカか」

ボーン

俺「あぁ～良い音だぁー」

小杉B「めっちゃ良い音だ。」

三上「波動が手に伝わるよ。」

俺「マジで？」

皆一斉に手をかざす。確かにそんな感じがする。

次は島田君だ。

ボーン

最後に撮影係の俺。代わりに小杉Bが俺を撮ってくれた。

ボーン

思ったよりも大きく音が鳴る。撮っていた時と位置はさほど変わらないのに

打つ側に鳴ってみるとかなり音が大きい。

騒音と捉えられただろうか。

思わず打った後辺りを見回してしまった。

全員がこっちを鬼の形相で見ていたら土下座するしか無い。

でも幸い誰もこっちを見てはいなかった。

その後は飛鳥資料館の出口付近にあったおみくじを引く事に、

だからおみくじって寺だろ完全に！

三上が率先してお金を払う。他の２人はそれをみている。

俺「何か俺らの班で三上だけおみくじやるらしい。」

小杉B「おれもう凶だったから。」

俺「俺中吉だった。」

俺と小杉Bは一通り今年あった学校行事の一つ

「鎌倉巡り」で一回おみくじを引いているのだ。

小杉B「今年凶だったからもういいや。」

島田くん「俺一回もやってないよ。おみくじ」

俺「え？鎌倉でやんなかった？」

島田くん「やんなかった。」

俺「どうする、やる？」

島田くん「やってみようかな」

小杉B「ちょっと俺も一回やろ」

俺「なんだよみんなやんのかよ…

俺動画の最初で三上しかやんないって言っちゃったのに…」

中吉はおみくじの結果として決して悪く無い。

わざわざ変える必要も無いので俺は撮影に徹した。

俺「結果、結果撮る。みんなの結果。」

カラカラカラカラ

おばあさん「番号言ってね～…」

島田くん「36」

おばあさん「36番。はぁーい、」

小杉B「俺もやろ、」

カラカラカラカラ

小杉B「46」

島田くん&小杉B&三上の結果報告

島田くん「末吉」

小杉B「末吉だった」

三上「俺も末吉じゃねぇか」

こんな感じでした。

続く

PS 平岡中学校とかいう

適当な名前をつけてしまったが運の尽き。やりにくくてしょうがない。