wakeupandpresentの日記

いつもは映像作品を作ってます。ここでは西田学くんの大冒険を載せていきます。

「西田学人生初の京都へ行く」第6話「シカのあの悟ったような表情はなんなのか」

第6話

 

まだ目的地までは時間がかかる。

小杉Bはそこである試練に立ち向かわなければいけなかった。

シカの糞だ。

もちろん自由に解放されている訳だからやつらは自由に場所を問わずウ○コをする訳で。

ガイドさんは言ってなかった。いや、あえて言わなかったのかもしれない。

とんでもないパニックが予測されるからだ。

ちょうど政府が国民に未曾有の危機を知らせないのと同じように、しかし我々は気づいてしまった

それは誰かの一言だった。

「おい!ウンコ落ちてるぞここに!」

「えっ!ヤバ!」

「シカだ!シカが落としたウンコだ!」

「待てこっちにもあるぞ!」

「ここ全体がウンコだ!」

「踏んじまったよ!」

オイルショック並みのパニックが起こった。

公衆の道路に普通にウンコが落ちまくっているという状況に彼らは遭遇した事が無かったのだろう。

だが私は生涯で一度オーストラリアへ行った際の動物園でそれを体験していた。

そこの道ばたウンコ率は計り知れなかった。

コアラを見に行ったのにウンコを見に行ったような動物園だったといっても過言では無い。

それに比べればこのレベルは甘すぎる。大した事無い。

しかし小杉Bは違った。彼は水泳部の中でも随一ファションを大事にする男。

ファッション重視で11月なのに夏並みの薄着をして寒がっている本末転倒の

着こなしをする男なのだ。当然今日の彼のシューズにも妥協は許されない。

そのシューズで今ウンコまみれの道路を歩いている。彼は発狂した。

小杉B「うわ!また踏んだ!グニュっていった!」

本日一番のうろたえようである。

俺「もう下見ない方が良いよ。」

小杉B「うわ!?何ここ?どこ行ってもウンコじゃん!」

うろたえる巨体

小杉B「うわぁ〜…もう最低…」

俺「やっぱりおしゃれな服はこういう場所では似合わないって…」

小杉B「いや、でもねおしゃれはするべきだよ。」

俺「お前オシャレする為にわざわざ履きにくい靴はいてきたっていうのに…」

 

 

俺「何だこのシカ達に共通した悟ったような表情は、」

小杉B「ここのオスのシカさ…全員角切られてんだけど、」

俺「かわいそう」

小杉B「俺理由が分かった」

俺「なんだ」

小杉B「なんかね、つついて怪我してる人多いらしいの、あの角でつつかれて

だから切ってんだと思う。」

俺「かわいそうじゃん!痛いんじゃないのそれ?」

小杉B「角まで神経回ってないでしょ」

俺「じゃぁ爪をきる感覚なのかねぇ」

小杉B「うん」

俺「伸びないでしょ!もう!」

次第にシカは話題にできる程我々の中で浸透したがそれでも

シカ同士、正確に言えば両方角が切られていたのでオス同士が戦い合っている姿には若干の恐怖を覚えてしまった。

人同士の喧嘩なら「コノヤロー」とか「バッキャロー!」とかいうセリフを言いながら戦うが

彼らはそれを一言も言わずひたすら無言で争い合う。

なんで怒っているのか何で戦っているのかも分からない

そんな彼らに言い知れぬ怖さがあった。

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14:30

 

ついに大仏殿である。

題名のごとくここの目玉は大仏だ

でも大仏があるだけの建物なら他にも奈良にはたくさんある。

元にさっきの国宝館にも大仏はあった。ズバリ何が違うかというとそのデカさだ。

とんでもないデカさなのだ。もうデカさがものを言う。

デカ大仏の周りにさらに大仏が囲うようにあったがその大仏でさえ俺の身長よりデカかったのだ。

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しかもその建物にいた像はそいつだけでは無かった。

隣に行くとこれまたすごいヤツがいたのだ。

こちらは比較的角張らず平面な大仏と違い来ている服や武器がトガリまくり。

めっちゃ強そうなのだ。

ただ思ったのが足の大きさが全身のバランスに対して明らかに合っていない。

なんかもうドナルドみたいな足なのだ。

そう一回思ってしまうともう彼はドナルドだ。

私の中で彼はドナルド以外の何者でもなくなってしまった。

かわいそうなドナルド、足がもう少し目立っていなかったら絶対に脳裏にドナルドなんか浮かばなかったのに。

その他にも大仏の魔除けの為わざと柱に穴があいているのだがその柱に

クラスの数人が入ったり、

大仏殿の外にある道の表面の大理石の色の違いは

海外シルクロードであるインドや中国から

あえて輸入したものを分けて使っているからだったりと、結構面白かった。

 

その後また建物を後にしガイドさんは躊躇無く歩き出す。我々もそれについて行く。

そこからまた長い間移動が続くのだがそこでもシカのフンパニックがしぶとく起こる。小杉Bも苦しんでいた。

小杉B「もうおれ今日何個踏んでんだろシカのウンコ…お前なんで大丈夫なの?」

俺「いやこれくらいはあんま気にならない」

 

小杉B「そうだよな、

お前はファッションセンスゼロで服の事全く分かってないからな、」

俺「受け入れる事が大事だよ。」

小杉B「は?」

俺「だからなんていうか…

「踏んじゃった!うわー!」

みたいな感じで行くんじゃなくて

「踏んだけど何か?」

みたいな気持ちに思ってなくてもとりあえずなってみるんだよ。

そうすれば気にならなくなる。よ?」

小杉B「あ、そう。」

 

実際に小杉Bがそれを実行したかは分からないがその後小杉Bはもうウンコを踏んでも何も言わなくなった。

その分シカの事についてずっと俺に話しかけてきた。

小杉B「なぁ、白T(担任の白川先生)ってシカについてどう思ってるんだろうな」

俺「どう思ってるんだろうね」

小杉B「聞いてきて」

俺「え?聞くの?」

小杉B「うん、行って。」

ここでいやといったらめんどくさくなる。

それに実際俺も白Tのシカについての感想が聞いてみたい。俺は白Tに近づいて突撃インタビューをする事にした。

 

リポートマン西田「白川先生。」

先生「うん、何?」

リポートマン西田「シカどうですか?シカ、」

先生「シカ?うーんシカねぇ…」

リポートマン西田「あまり心躍らない?慣れてるからですか?」

先生「うんそうだね、でもあんまりこうなんか触りたくはないねぇ…」

 

らしいです

 

その後も様々な文化財に立ち止まりガイドさんの話をフムフムした。

 

ガイドさん「みんな、前の建物を見て。

学校の校に倉庫の倉と書いてこれあぜくらって言います。

校倉作りという作り方で建てられているんですね。

で、その特徴は何かって言いますと何かを保存するのに非常に優れているという事なんですね。」

そんなの知ってるぜ。

ガイドさん「で、その理由として昔から換気の調節が効きやすいと言う事が言われてきました。」

その通りだ。知ってるぜ。

ガイドさん「でもちょっとこの建物もう一回見てください」

なぜだ、なぜもう一回みる必要性がある?

「分かんない方もいるかもしれませんけれども北米のログハウスら辺の作り方に似てると思いませんか?」

あぁ、確かに似ている、それがどうしたというのだ。

ガイドさん「北米というのは寒いですよね、寒い地域って言うのは風を通したらやっぱ寒いんです。ですから風の通さない構造になっているという訳なんですね。」

だからそれがどうしたというのだ!

ガイドさん「ですから換気の調節が効きやすいっていうのはちょっと嘘なんですね。」

おろろろろ?

一気に冷静なキャラが崩れた。

ガイドさん「本当の理由としては、密閉性が高い、後高床式になっていますから

湿度、温度の変化が小さいという事が理由としてあげられています。」

やっぱ現地ガイドマンには勝てないや。皆さんも気軽に勝負を挑まないように。

 

続く

PS 原文ママの辛さ。今回でだいぶ人が離れた気がする。