wakeupandpresentの日記

いつもは映像作品を作ってます。ここでは西田学くんの大冒険を載せていきます。

「西田学人生初の京都へ行く」第二話「俺を疲れさせたアイツはなぜ遅れたのか」

第2話

電車内は超満員だ。

話す事はもちろん身動きも取れない。

しかし幸いにも要町から池袋まではたった一駅。

この人間ミルフィーユ地獄に耐えるのも一駅の辛抱だった。

ドアという強力なストッパーによって建前は車内にいるという状態だが

池袋についてドアが開いた際のあの人間津波は異常だった。

正直サーフィンできるあの波の上で。

とにかく我々西田と小杉Gは池袋駅に2人そろって着く事ができた。

第一関門突破だ。

 

私「めっちゃ混んでたな。」

小杉G「おれ出た時に気づいたんだけどさ…」

私「正直朝の有楽町線は異常だよ。俺も毎朝通学してるけど今日のは特に…」

小杉G「込みが酷いの俺らの号車だけだった。」

それ以降の会話は覚えてない。

 

我々は事前に各担任の先生から東京都23区内のJR線で使えるオレンジの切符 

が配られていた。その切符は文字通りJR線に対して有効な為、

山手線に乗る時の改札から使用すればいい。

しかし見事にその事実に私たち2人は気づかない

有楽町線池袋駅乗り換え改札にて

私「お、おい!この改札は普通に自分らのスイカで行っちゃっていいのか?」

小杉G「駅関係は全部お前に任せてる。」

私「いや、俺もわかんね〜よこれは!」

小杉G「え」

私「………」

小杉G「………」

私「分かった。良い考えがある。

とりあえずこの改札はスイカで行って大丈夫だ。

問題はこの先のJR線の改札だ。

そこはオレンジの切符を使うのかスイカなのか本当に分かんない。」

小杉G「そうなの?」

そこまで言うと我々はスイカで改札を抜けた。

JR山手線の改札に向かうまで歩きながら会話は続く

小杉G「じゃぁJRの改札はどうすんの?」

私「運に任せちゃう」

小杉G「うん」

私「とりあえずオレンジの切符を入れてみよう。

イカで改札通ると自腹になる気がする。」

小杉G「あぁ」

私「その切符が改札抜けても出てこなかったら。多分間違ったパターン。」

小杉G「おお」

私「その先はもう自腹決定。でも元から自腹で行くよりは一か八かでオレンジの切符を入れてみた方が良いと思う。」

小杉G「そうですね」

私「ホントに運任せだ。確証全く無いよ」

小杉G「うん」

私「でもやるしかない」

小杉G「やろう」

私「お前やって」

小杉G「やだ」

 

そこからは文字に起こすのも面倒くさい程早口口論が始まったため

どちらがやるかの経緯は省略。

 

結局小杉Gがオレンジ切符を入れる事に

私は後ろから実験台の彼がどうなるかを観察する。

周りの迷惑をかけないようにと小杉Gは改札についたとたん

迷いも無く切符を挿入した。

滑り込む切符

開く改札。

切符は…

 

出てきた。

どうやら正解だったらしい。

 

その後山手線で十何駅をまたいで我々は東京へ着いた。

問題はそのあとだ。

集合場所が分からないのだ。

しおりの参考地図を見ても白黒でワケ分かんない。

小杉Gはこの点を一番に心配していたらしく

小杉G「昨日の帰り道。俺東京駅には何度も行ってるって言ってたよな。」

と真っ先に言ってきた。

確かに私は東京駅には小学生時代から何度も来た事がある。

なぜならそこから東海道線の新幹線に乗って名古屋へ向かう為だ。

昨年2013年の夏には一人だけで新幹線に乗るという物語を連続ビデオドラマにしてつくった記憶がある。

しかし今回は訳が違っていた。

私「行った事ある…あるよ?

そりゃあるんだけどね?…集合場所は…分かんないかな…」

その瞬間小杉Gはぽつり「終わった…」とつぶやいた。

 

「西田学人生初の京都へ行く」物語     完

 

 

 

 

いや終わって無い!終わらせてたまるか。

まだ東京からでてもいないのに終わっちゃアカン。

集合場所には南口と書いてある。

南かぁ〜…南ねぇ…うーん…どこだ?

正直駅の中では方角など分かりやしないのだ。

とりあえず改札を出てすぐあったカラー地図を確認。

すると何となく行く方向が掴めたらしい。小杉Gがね。

俺は何一つ掴めなかったよ。ずっと彼の考える後ろ姿を見てただけ。

もうこっからは小杉Gにエスコートされるがままだ。

信じてついていくしか無い。

小杉Gに信じてついていくこと数分。気づいた事がある。

ちらほら私服だが成城生と思える生徒が私たちとは逆方向へ進んでいくのだ。

これにはさすがに不安になった。

私「ねぇこっちで大丈夫?」

小杉G「地図で見ると南口こっちなんだよね」

私「こっちじゃなかったらどうする?」

小杉G「わかんない」

まじかよ

 

永遠とも思える時間が過ぎた。

確証がない道を進むのはこれほどにも不安が募るものなのか。

長い間続いた俺の緊張状態は次の小杉Gの一言によって解かれた。

小杉G「あ、あった。」

 

 

7:50 集合地点に到着

少し早くつきすぎてしまった。

全体でいうと数十名いるがクラスごとだと数はさほどでもない

E組も数人しかいなかった。

しかしその中にはラッキーな事に

友人の島田くんがいた。

島田くんはドストライクな一目瞭然の成績優秀者で

趣味はゲーム。特徴はあまり喋らない事だ。

私「あ、島田くんおはよう。」

島田「ねぇ小杉知ってる?」

少し速い口調で彼は聞いてきた。

朝の挨拶を成立させない程彼は急いでいるという事だ。

私「いや、知らない。」

この回答に対し読者のみんなは少し疑問におもうだろう?

あれ?お前小杉と一緒に来たんでしょ?

と。

よ〜く話題にしている人物の名前を見てくれ

小杉は小杉でもGがついていない。

つまりここで話している小杉は名字が同じだが違う人物の事を指しているのだ。

するとまた違う疑問がわいてくる。

じゃぁその小杉はお前とどういう関係なんだという疑問だ。

大丈夫。あと数分すると現れるはずだから。

とりあえずは詳細を語らずに会話を進めさせます。

島田「あいつさぁ、バスでここまで一本って行ってた割に遅いんだよね。」

私「あ〜言ってた。言ってた。

島田君が一緒に行こうって小杉誘った時のヤツでしょ?」

島田「そうそう。一緒に行こうって誘ったらあいつ家からバスで一本だから大丈夫っていってたんだけどさ。」

私「大丈夫じゃないよねあいつの大丈夫は。」

島田「www」(笑う動作をこのように表します)

私「あと数分だよね。集合時間まで。間に合うかなアイツ。」

そこに担任の白川先生がやってきた。多分生徒の出席率を確認する為だろう。

手には出席簿を持っている。白川先生の特徴は顔芸だ。それにどこか間伸びた声を発するのも特徴だ。

だから先生が喋る台詞を文字に起こすと必然的に小文字や伸ばし棒の記号が多用される。

先生「おっ西田いたぁ」

何やら出席番号に丸をして出席の有無を確認しているようだ

見た所さっきよりは数は増えていた。

私「先生リクもいますよ」

俺は隣にいた同じ組でまだ番号に丸をふっていなかった生徒を出した。

俺は先生に喋って欲しい台詞をどうすれば先生が言ってくれるかを常に考えながら先生と会話している。つまり俺が先生に言う台詞は言ってみれば一種の誘導なのだ。

言ってほしいという台詞を誘発する為に

他の人と話すときより口調、イントネーション、ニュアンスを変えたり工夫する。

先生「おっリクいた。」

そういって先生は俺の周りにいた自分のクラスの生徒達の生徒番号に一通り丸をつけ終わると

新しい生徒を捜しに向こうへ行ってしまった。

私「てかアイツ来て早々絶対俺のファッション馬鹿にするんだよな。」

島田くん「wwwww」

私「毎回だもん!水泳部のみんなで集まるときも毎回ダサイダサイッて連呼するんだぜ?

いや男だからファッションにハマりすぎるなとかそういう事は言わないよ俺?

だけど自分の服だけじゃなく俺の服装まで品定めするのはおかしいでしょ?」

島田くんは終始笑いながら聞いている

きっと俺が小杉にいじられるという構図が面白いんだろう。分かるけどさ。

 

そう話し終わったちょうどその時

今回俺がこの修学旅行全体を通して疲れた元凶がやってきた

小杉バッドこと小杉Bだ。

 

PS

いろんな人がでてきました。読み返してみると懐かしいです。